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ごあいさつ

司法修習生に給費制復活

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

ちょっと時間が経っていますが、司法修習生に給費制が復活しました。

以前は、司法試験に合格して司法修習生になると、国から給費が出ていました。自分のときは月額18万円くらいだったと記憶しています。
そして、修習生には、収集専念義務というのが課せられていました(簡単にいうと会社員が会社で働くように修習生は裁判所や法律事務所で修習をしなさいという意味です)。

当時の私としては、国民の皆様の税金から給費をもらっている以上、しっかり勉強して立派な法曹になれるよう頑張ろうとか思っていました(かっこつけてますが)。
それが5年前くらいに、財政難を理由に、給費制から貸与制に代わりました(10年後位に300万円位を返済するというもの)。
今、私は、ほぼ無報酬で財産のない方の成年後見人をやったり、報酬が高くない国選弁護人をやったり、ほぼ無償で中学校へいじめ防止授業や模擬裁判をしに行ったりしています。
これは、自分が修習生であったときに、税金で勉強させてもらったことがあったからこそ、社会に恩返ししないといけないという思いが根底にあるからできていると思います。

もし貸与制であったのなら、自分はこういう活動ができていただろうか、と考えてしまいます。
(国のお世話になっていない以上、金儲けだけしていればいいと思う弁護士が出てきても、おかしくないと思います)

医師も研修医に給料を払っています。
これは、国が一定期間医師の養成に責任をもち、国民にきちんとした医療を提供するという国家政策の結果だと思います。
法曹会でも上記のように修習専念義務を課して、国が一定期間法律家の養成に責任を持っているといえると思いますし、そうだからこそ、その間の給与を保証すべきという話になるのだと思います。

私は、貸与世代の弁護士が、今後どういう活動をしていくのか不安に思う気持ちもあります。

日弁連も声明を発表し、以下のように言っています。

司法制度は、三権の一翼として、法の支配を社会の隅々まで行き渡らせ、市民の権利を実現するための社会に不可欠な基盤であり、法曹は、その司法を担う重要な役割を負っている。このため国は、司法試験合格者に法曹にふさわしい実務能力を習得させるための司法修習を命じ、修習専念義務をも課している。ところが、法曹養成の過程における経済的負担の重さから法曹を断念する者が生じていることは深刻な問題であり、司法を担う法曹の人材を確保し、修習に専念できる環境を整備するための経済的支援が喫緊の課題とされてきたものである。

貸与制であると、家族を持っている人や大学時代の奨学金など借金を抱えている人は、法曹の道をあきらめざるをえないということもありうる事態でしょう。
司法修習が法曹養成にとって必要不可欠なものであり、国家の責務であるということを、正しく理解してもらう必要があります(裁判所、検察庁、法律事務所にそれぞれ3ヵ月程度ずつ配属されて実務を学び、法曹にとって非常に有意義な制度です。ためにならないという人は聞いたことがありません)。

司法修習生が貸与制になったときの責任ある大臣は、民進党の前原氏でした。
私は、前原氏が貸与制を決定したときのコメントを今でも忘れません。

「借りたものは返す。単純な話だ」

国が法律家の養成に責任を持つという側面を全く無視した発言であり、信じられない思いでした。

給費をもらっていた立場であり、お金だけのことを考えれば「後輩は貸与制でよい」などといえばいいでしょうが、そうなってしまえば日本の司法が非常に怖いことになる、劣化すると直感する何かがあるからこそ、私は給費制復活を祈っていました。

自分は、給費制復活の活動については、仕事に追われほとんどしてきていませんでしたが、仕事の傍ら街頭デモや違憲訴訟を提起したりした同業者に対しては、頭が上がりません。

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