2018年問題
こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。
前回の日記で、無期転換などの派遣法改正について少し触れました。
少し詳しくお話すると、2013年4月に労働契約法の重要な改正がありました。それは、一定期間以上経過した有期契約社員が無期雇用転換を希望した場合、無期雇用に転換しなければならなくなったというものです。
また、労働者派遣法においても、2015年9月に派遣労働者に対する雇用安定措置が新たに規定されました。
2018年にはその対象者が現実に転換時期を迎えはじめます。
日本では正社員の解雇規制が大変に強く、業績による雇用調整のしわ寄せが契約社員、パートタイマー、派遣社員、などのいわゆる「非正規雇用者」に集中しています。
そのため、一定期間非正規雇用をしたのちに、無期転換など安定した雇用に転換すべきルールが定められたのです。
2018年以降、これらの法改正によりに対策をとるべき非正規雇用者が出始めるため、非正規社員を抱える企業にとって対応を求められることから「2018年問題」と言われています。
改正のルールについては、いろいろあるのですが、ここでは、「無期転換するとどうなるか」について、軽く触れます。
有期労働契約からの無期転換義務は「労働者が申し込みをした場合」に発生するため、会社が継続雇用を望まない対象者であっても本人から申し込みがあった場合には無期転換しなければなりません。
無期雇用に転換した場合、「契約期間満了による退職(いわゆる雇い止め)」ができなくなることが最も大きな変化でしょう。
したがって、近時は、「契約更新をしない」という企業が多い(多かった)のではないかと思います。
前回のニュースは、そのような背景があったということですね。
- 2018-02-04
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- by 豊田シティ法律事務所