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ごあいさつ

2018 1月一覧

勤続14年、更新19回のベテラン契約社員「雇い止め」で労働審判申し立て

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

ネットをみていると、勤続14年、更新19回のベテラン契約社員「雇止め」で労働審判申立て、というニュースがありました。

内容は、

2003年7月にフルタイム勤務をする1年更新の契約社員として入社し、勤続年数は14年を超え、その間に雇用契約の更新が19回あった(途中から半年更新)。それにもかかわらず、2017年7月に会社側は雇用契約を更新しないと通告。契約が満了する9月15日をもって、雇い止めにあった、

というものです。

私の事務所でも、数か月前もある会社で違法な雇止めではないかと主張された件があり、会社側として労働審判を経験しました。

裁判例や労基法19条では、例えばⅰ契約の反復更新が行われ、期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態となった場合やⅱ(ⅰといえないまでも)契約の反復更新が行われ、労働者の雇用継続への合理的期待がある場合やⅲ実際に契約の更新が行われたか否かに関わらず、契約が更新されることを前提に契約が締結された場合などは、解雇権濫用法理が類推適用されるとされており、「合理的期待」というところがキーワードになります。

今回のニュース、更新が19回、勤続年数が14年ということで、合理的期待はあるんじゃないかなぁと思います(ここに表れている事実だけでの判断ですが)。

ニュースに出てくる弁護士は、「2018年4月より『無期転換ルール』が始まる前の雇い止めであることも指摘。『無期転換権の行使を妨害するために、こうした手を打ってきたと認識している。無期転換を妨害するための雇い止めのケースだということを訴えていく』」とも述べています。
それよりも、これだけ更新を続けてきたのに、っていうところが問題だと思いますけどね。

正社員にするのが厳しければ、人を期間がきたら交替するなどしていく必要がありますよね。
合理的期待を抱かせるというのは、従業員にとっても非常に酷な話だと思います。会社側の対応が少し甘いかなと思った事例でした。

※ 無期転換ルール=有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルール。

調停の特徴と司法修習生

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

今日は、非常勤裁判官として名古屋簡易裁判所へ出勤する日でした。
そして、自分が担当する事件で司法修習生が調停傍聴をするという出来事がありました。

司法修習とは、日本の司法試験合格後に法曹資格を得るために必要な裁判所法に定められた「司法修習生の修習」の通称のことをいいます。

司法試験の合格者は、最高裁判所に司法修習生として採用され、公務員に準じた身分で司法修習を行います。司法修習は裁判官・検察官・弁護士のいずれを志望する場合であっても、原則として同一のカリキュラムに沿って行い、修了後、裁判官であれば判事補として任官、検察官であれば検事として任官(これを「任検」という。)、弁護士であれば弁護士会への登録を行い、それぞれ法曹として活動するほか、研究者等それ以外の進路を選ぶ者もいます(最近は、企業内弁護士が増えていますね)。

そして、今日は、まず調停の特徴を私が修習生にレクチャーしました。
調停の特徴としては、

① 手続が簡単
申立をするのに特別な法律知識は必要ありません。申立用紙と、その記入方法を説明したものが簡易裁判所の窓口に備え付けてありますので、簡単に申立てをすることができます。調停委員会が間に入るので自分一人ですることができます。

② 円満な解決ができる
双方が納得するまで話し合うことが基本なので、実情にあった円満な解決ができます。

③ 費用が安い
裁判所に納める手数料は、訴訟に比べて安くなっています。例えば、10万円の貸金の返済を求める調停を申し立てるための手数料は500円です。
そして、不調に終わった場合でも2週間以内であれば調停の印紙を訴訟の印紙として流用できるので訴訟を見据えた場合でも経済的な損はありません。

④ 秘密が守られる
調停は「非公開」の席で行いますので、他人に知られたくない場合にも安心して事情を話すことができます。これは、結構重要な視点で、非公開ということで訴訟ではなく調停にする人もいます。

⑤ 早く解決できる
調停では、ポイントをしぼった話合いをしますので、解決までの時間は比較的短くてすみます。通常、調停が成立するまでには2、3回の調停期日が開かれ、調停成立などで解決した事件の約90%が3ヶ月以内に終了しています。

⑥ 立証の点でも有用
調停は、訴訟ではないので、立証が難しい案件(医療紛争など)や証拠が不十分な件でも話合いで譲歩して解決することもありえます。訴訟提起には勇気がいるような案件でも調停申立ならできるということもあったりします。

以上のようなことを説明し、実際の案件について議論をしました。
みなさんいろいろメモをとられたりして、初々しかったですね。民事裁判の修習は2ヶ月しかありませんので、何でも積極的に参加していろいろなものを吸収していってほしいと思います。

大雪

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

昨日から大寒波が到来し、雪が降ってきていますね。
昨日は、調停係の定年退職される裁判官の送別会が名古屋でありました。

事務所がある豊田市中心部は、昨日17時頃は雪が降っておらず、傘も持たずに電車に乗ったのですが、名古屋の丸の内駅を出るとものすごい雪が降っており、大変驚きました。

話によると、空気の通り道に雪が降りやすいということで、春日井市の高蔵寺や、半田市、安城市、知立市などは雪が降りやすいとのことでした。

送別会から豊田市駅に戻ったときも、(非常に空気は冷たかったですが)雪は降っていなかったと記憶しています。
そして、朝も豊田市中心部は、雪はほとんど積もっていなかったのですが(あっても数センチ?)、他の人の話によると安城・知立方面は、10センチ以上は積もっていたとのことで、アイスバーンで事故も起きていたということでした。
同じ愛知県でもこれだけ違うというのはビックリですね。

私も、今日は交通事故現場の見分に行こうと思っていたのですが、路面の凍結が怖くて延期としました。
交通事故も多く起こっているようですし、より一層安全運転を心掛けたいですよね(地方都市では車に乗らないという選択肢はとりづらいですので運転を慎重にということになると思います)。

岡口裁判官

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

現役裁判官岡口基一氏に殺害予告

という記事をみかけました。

この方は、東京大学法学部を卒業後、全国各地の高裁や地裁、家裁の判事を経て、現在は東京高裁・東京簡裁の判事として勤務中です。
司法試験受験生や司法修習生に向けた書籍も数多く刊行しており、法曹界では人気の高いエリート裁判官として知られています。
もちろん現役の弁護士の中でも有名な方で、われわれ地方の弁護士でも岡口裁判官の著書に助けられています。

岡口裁判官はユーモアもある方で、毎日SNSなどもみていますし、きちんとした方なのですが、初見の人がみると誤解をもつということもあるようです。
つい最近でも判決を短文で要約しているだけだと私たちはわかるのですが、その判決の遺族の方が「非常に不愉快」と処分を求めたという件がありました。

事実を書いているだけですし、判決も公開されているので、見る人がみれば決してバカにしているわけではない、とわかるのですが、報道とかのされ方をみると印象操作というか岡口裁判官のすばらしさがまったく伝わってませんね(むしろこんな裁判官に裁かれたくないというような風潮です)。

この方は、きちんとした方ですし、非常に優秀ですので、決して悪意はありません。
真面目だけどきちんと仕事ができない裁判官より、私はユーモアがあって優秀な裁判官が好きですね。

日本では、出る杭は打たれるといいますが、岡口裁判官には様々な逆風に負けずに頑張ってほしいと思っています。
たぶん岡口さんのことをフォローしている人で、岡口裁判官をマイナス評価する人はほとんどいないと思います。

この方は非常に優秀できちんとした方ですので、皆様誤解されないようにしてもらいですね。
また、岡口裁判官もSNSなど発信は続けていただきたいですね。岡口さんの投稿に助けられている人はたくさんおりますので。

この件でも、ニュースで語られる事実が真実ばかりではないということを教えてくれます。
たしかに、遺族が不愉快な思いをした点は考慮すべきですが、岡口裁判官はすぐに削除しているようですし、私としてはそれで終わった話だと思っています。
ただ、裁判所は口頭で厳重注意とかしそうですね(私も非常勤裁判官をしていますので、裁判所の内部に少しかかわっていますが、そんな気がします)。

歯科医逮捕

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

治療に必要のない歯2本、削った疑い、歯科医逮捕

という記事がありました。

半年に1回くらいは、歯科診療の治療内容で医師と揉めている患者さんの相談を受けることがあります。
歯というものは、削ってしまえば元の歯は復活しないので、削りすぎなどのトラブルはけっこうある印象です。
つい最近でも岐阜県の歯科医さんが元患者さんに刺殺されるというニュースがありました。

なかなか因果関係の立証も難しいと思いますが、医学の素人である患者側が有利になるには今回のケースのように協力医の力が必要ですね。
自分も不信感を抱いてしまった歯医者さんが複数存在しますが(なぜそんなに時間がかかるのか、そこ削る必要あるのかなど)、適切な治療かどうか立証もできないので、モヤモヤしながらも今に至っています。

このような事件が起きるのも、コンビニより多いとされる歯科医院の競争激化と保険の制度ためだと思いますけどね。
簡単にいうと、たくさん削るとそれだけ点数があがり収入が増えるという関係にありますので。

ちなみに、今は自分もかかりつけ医さんがおり、安心して定期点検などするようにしています。
弁護士と依頼者もそうですが、お医者さんとも信頼関係が大事ですね。

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