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ごあいさつ

2016 9月一覧

手を出したら強盗に

東京都豊島区の弁護士宅に盗み目的で入った男が今月上旬、逮捕された。「手を出したら強盗になるぞ」。機転を利かせた弁護士の説得が功を奏した。

 弁護士は団雅生さん(40)。団さんによると、6日午前3時すぎ、自宅の廊下で見知らぬ男と鉢合わせした。無施錠の掃き出し窓から侵入したらしい。「何だ!」と一喝すると男は逃走。寝間着のまま住宅街を追いかけ、約300メートル離れた民家の敷地内に追い詰めた。

 男がそばにあったくわを振り上げたため、団さんはとっさに「手を出したら強盗になるぞ」と叫んだ。事後強盗罪は窃盗罪よりも刑が重い。男の体の力が抜けた気がした。その瞬間、男を取り押さえ、近所の人の通報で駆けつけた警察官に引き渡した。普段は企業の国際通商業務などを扱う団さん。取材に「ほとんど刑事事件は扱わないんですが……」。

 警視庁大塚署によると、男は住居不定で無職の45歳。東京地検は26日、団さん方から現金約5万円を盗んだとして、常習特殊窃盗などの罪で起訴した。

=================(引用おわり)

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

上記のニュース、刑法238条のことですよね。

窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる(刑法238条)

もう少し細かくいうと、「手を出したら強盗になり、強盗でケガをさせれば強盗致傷となり、そうなると裁判員裁判だぞ、最近の裁判員裁判は厳罰化傾向だから、長期間刑務所にいくことになるぞ!」となりそうですが、切羽詰まった状況では、おそらく何も言えないかもしれませんね。

「手を出したら強盗になるぞ」

もし自宅に泥棒が入ったら、使えそうなフレーズですね(自分も弁護士ですし)。
ただし、切羽詰まった窃盗犯が、逮捕を免れようとして、殺人などというニュースもよくありますので、状況に応じてですね。

高畑裕太氏の弁護士コメントについて

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

最近は、何か忙しいですね。
少年事件で名古屋少年鑑別所に通わないといけなかったり、成年後見人をしている高齢者の今後の施設等の手続を考えるためケアマネさんらと面談したり、とにかく外出が多くなっています。

当番弁護の依頼がきて、その事件が被疑者国選対象事件だったりすると、自分が国選弁護人になることもできるのですが、最近は当番弁護だけの最低限の仕事のみで精一杯です。

さて、最近高畑裕太氏の強姦致傷事件で示談が成立したこと等から不起訴となったニュースがありました。
そして、そこでの弁護人のコメントが、なかなか賛否両論のようで、弁護士の立場からするとなかなか複雑なんですよね。

刑事事件で弁護人となった場合、1億人を敵に回しても、被告人の言い分を強く主張しなければならないことは多々あります。
例えば、多人数を殺傷するような事件で、被告人の弁解が不合理であるような場合であっても、それを法廷で言わないといけません。おそらくコメンテーターなどからはものすごく批判がでるでしょうが。

したがって、大多数の国民の顔色をうかがっているメディアの視点と刑事弁護人の視点とは、まったく異なります。
1人の言い分を(不合理であっても)主張し続ける、孤独な闘いのときもありますが、弁護士とはそういうものだと思ってます。

高畑裕太氏の弁護士も、高畑氏の言い分を言う必要があったのでしょう(どういう力が働いたのかはわかりませんが)。
高畑裕太氏は、「合意があったものと思っていた」ようなことを言っていましたが、本人がそう思っていたのであれば、弁護士としてはそう主張することになりますし、本当に合意があったと思っていたのであれば、強姦致傷罪は故意が欠け、無罪の主張をすることになったと思います。

弁護士としては、1億人から嫌われても、そうせざるをえなかったのでしょう。
自分が高畑裕太氏の弁護人だったとしたら、同じ行動をとったでしょうし、これに関するテレビはみないようにしていたでしょうね。

労働者派遣法改正

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

さて、これまでの労働者派遣法は、派遣労働者が行う業務を26業務とそれ以外に分けて考えていました(その限界がわかりにくいという批判がありました)。
しかし、今回の改正で、この区分を廃止することとして、すべての業務に共通する派遣労働者個人単位の期間制限(3年)と派遣先の事業所単位の期間制限(3年、一定の場合に延長可)を設けることとしました。

すなわち、改正法では、専門26業務の業務区分が撤廃され、どの業務も等しく制限されることとなったのです。

派遣先の同一の組織単位(典型的には課を想定しています)では、同じ派遣労働者を継続して受け入れられるのは3年が上限となります。

ある派遣労働者を受け入れ始めた時点から起算して、3年が経ったら、それ以上、その派遣労働者を使い続けることはできず、最低でも、課を超えて異動などしなければなりません。
これまでは、26業務であれば、派遣労働者はずっと同じ派遣先で仕事を続けることができましたが、この改正で、3年ごとに人は変えなければなりません。26業務の派遣労働者については、かえってその地位を不安定にしてしまうのではないかとの批判もなされています。

他方、派遣先の同一の「事業所」で、派遣労働者を継続的に受け入れるのは3年が上限とされています。
ただ、3年経ったら派遣労働者の受け入れを打ち切ったりしなければならないかというと、そうではありません。
受入開始から3年を経過する時までに過半数労働組合等から意見を聴取した場合には、さらに3年間延長可能とされ、その後も同様とされています。

派遣先にとっては、これまで専門26業務を除く派遣労働者の受入れは最長3年に制限されてきたわけですが、この改正によって、要件をみたせば、業務を問わず継続して派遣労働者を受け入れることが可能となり、派遣の導入が大きく進むのではないかという観測がなされています(現にドイツではその傾向が出ているようです)。

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