こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。
キャリコムニュースより、自己破産経験者のアンケートが出てました。
調査は1~2月にネット上で実施し、ギャンブルが原因で自己破産した49人から回答を得たとのこと。
自己破産手続きをして「よかった」という人は95.9%。手続きにかかった期間は「3~6か月未満」(20人)が最多で、以降は「3か月未満」(17人)、「6~9か月未満」(5人)、「9~12か月未満」(4人)などと続いたようですが、3~6ヵ月で終えることはなかなか難しいとは思いますけどね(生活保護のケースや依頼者が資料収集を最速で行った場合などは可能ですが)。
「全部返済に回さなくて良くなった」という希望が持てました、という意見は、たしかにそのとおりで、最初の相談にきたときと自己破産の手続に入った後では、余裕が違ってますね。
「よかった」という人からは、
「裁判所の免責許可決定によって、借金などの債務を免責してもらえたことが良かったです」(40代男性)
「申し立てを行った日から嘘のように督促電話が止まり気持ちが楽になりました。手続きには正直かなりの葛藤がありましたが、結果的にはやって良かったです」(50代女性)
「まず第一に、心の切迫感からの解放、これから稼ぐお金が全部返済に回さなくて良くなったという希望が持てました」(30代女性)
といった声が寄せられたようです。
一方、デメリットとしては
「結婚後のマイホームの購入に影響が出た事。結婚前に自己破産の事は連れ合いに話していましたが、20年経って銀行での借り入れ審査時に、審査落ちしました。担当さんと相談の結果、融資額を縮小して何とか通りましたが冷や汗物でした」(40代男性)
のほか、クレジットカードが使えなくなり、きついといった声が寄せられたとのこと。
たしかに、クレジットカードは使えなくなり、作れなくなりますが、5年程度と言われています。7年くらい経って再度クレジットカードをつくり二回目の破産、というケースもありますので、ずっと使えないわけではありません。
自己破産手続きにおいて「弁護士に相談した」と答えたのは85.7%。「相談してよかった」とした人は97.6%に達した、とのことで、安心しました。
司法書士に依頼すると、少額管財にできなかったり、損をしますし、東京の弁護士などに依頼すると、岡崎の裁判所まで出頭費用として1回8万円請求されたり、損をしますので、自己破産は、自分の自宅近くの弁護士に依頼した方が絶対にいいと思います(打合せも複数回やりますしね)。
「損にならない方法をプロ目線でアドバイスもらえました」(30代男性)
「自己破産申請に関わる、煩雑な作業の大部分を代行してもらったので助かりました。弁護士さんが債権者の窓口になってくれたので、督促などのプレッシャーから解放されて、気持ちに余裕が出来ました。色々とアドバイスを貰い、再起への不安が解消されたのは本当に良かったです」(40代男性)
「裁判所への自己破産申し立てから、裁判所によって認められるまでのプロセスがスムーズに進んだことが良かった。そのため心理的負担を抱え込まずに済んだ」(40代男性)
など手続きがスムーズになった声が多く寄せられたようで、中には「勇気をもらって次に進めた」など精神的なサポートを受けたという人もいたとのことで、自己破産が前向きなきっかけとなったということで、よかったと思います。
弁護士をやっていると、若くして借金に追われ、自己破産を知らずに自殺する若者を目にすることも少なくありません。
自己破産さえ知っていれば・・・と本当に辛い気持ちになりますので、自己破産という手段があることを頭に入れることは是非していただきたいなと思います。