囚人ジレンマ
こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。
心理学用語で、「囚人ジレンマ」という用語があります。
ある犯罪を犯した2人組が、容疑者として警察に連れていかれます。
刑事は、2人の容疑者を1人ずつ別々の部屋に置いて、「お前が先に白状したら、お前だけは執行猶予にしてやる。2人でやったんだろう」と聞きます。
さらに、「別室のパートナーにも同じことを言っているんだ」と言って、精神的に揺さぶりをかけます。
【囚人ジレンマ】
1 相棒の自白「やってない」 自分の自白「やってない」・・・(結果)2人とも無罪
2 相棒の自白「やってない」 自分の自白「やった」 ・・・(結果)自分は執行猶予、相手は実刑
3 相棒の自白「やった」 自分の自白「やってない」・・・(結果)相棒は執行猶予、自分は実刑
4 相棒の自白「やった」 自分の自白「やった」 ・・・(結果)2人とも、実刑
法律事務所をやっていると、人間関係に疲れた人(裏切られたと怒る人、悲しむ人、こんなはずじゃなかったと後悔する人など)がたくさん訪れます。
こういう仕事をしていると、自分も自分自身の人間関係を考えたりするのですが、究極的に他人はコントロールできないし、他人は他人なんですよね。
コントロールできるのは自分だけ。
したがって、自分がどう生きるか、どうするか、しかできない。
自分は、人間関係においては、シンプルに考えるようにしています。
上記囚人ジレンマでいえば、自分は「やってない」ということを徹底する(上記1、3)、後は相棒が「やってない」といえば無罪となるし、相棒が「やった」といえば、自分は実刑となる、そこはシンプルな話です。
自分は、とりあえずまずはできるだけ他人を信じるようにはしています(一見して信用できないケースは除く。囚人ジレンマでいえば「やってない」と自分はいうことに徹する)。
そして、結果的に、相棒が自分にマイナスのようなことをした場合(上記囚人ジレンマでいえば、3)、その相棒との関係は「切る」ことにしています(現実的には「切る」ことはできないケースもありますが、あまり深入りしないようにしていますし、こちらが「切る」と思っていることを相手に悟られないようにしないと、その人物との関係は実際には切れません)。
人生は、長くないのですから、付き合うべきは囚人ジレンマでいえば1の人です。
1の人とどうやって付き合っていくか、そういう人との付き合いは自分も成長していくので続けていきたいですし、逆に3の人とは付き合っている時間はありません。
なので、私の事務所にきた人で、他人に裏切られたという人に対しては、法的に落とし前をつけられる場合は落とし前をつけるのは当然ですが、長くない人生で「付き合うべき人でなかった」ということがわかったことは有意義だった、という観点もあるということをわかってほしいなと思うときもあります(もちろん無理強いはできませんが)。
今日本の社会はどうなっているのか。
その中で自分はどう生きていくべきなのか。
最近のニュースをみても、いろいろ考えさせられますが、自分は囚人ジレンマでいえば「やってない」という方向性(上記1、3)を基本としていきたいですし、自分を信じてくれた人(上記1の人)に対しては、感謝の気持ちを忘れず誠実にお付き合いをさせていただき、互いに切磋琢磨していきたいと思います。
- 2021-03-30
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- by 豊田シティ法律事務所