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ごあいさつ

2018 1月 30一覧

勤続14年、更新19回のベテラン契約社員「雇い止め」で労働審判申し立て

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

ネットをみていると、勤続14年、更新19回のベテラン契約社員「雇止め」で労働審判申立て、というニュースがありました。

内容は、

2003年7月にフルタイム勤務をする1年更新の契約社員として入社し、勤続年数は14年を超え、その間に雇用契約の更新が19回あった(途中から半年更新)。それにもかかわらず、2017年7月に会社側は雇用契約を更新しないと通告。契約が満了する9月15日をもって、雇い止めにあった、

というものです。

私の事務所でも、数か月前もある会社で違法な雇止めではないかと主張された件があり、会社側として労働審判を経験しました。

裁判例や労基法19条では、例えばⅰ契約の反復更新が行われ、期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態となった場合やⅱ(ⅰといえないまでも)契約の反復更新が行われ、労働者の雇用継続への合理的期待がある場合やⅲ実際に契約の更新が行われたか否かに関わらず、契約が更新されることを前提に契約が締結された場合などは、解雇権濫用法理が類推適用されるとされており、「合理的期待」というところがキーワードになります。

今回のニュース、更新が19回、勤続年数が14年ということで、合理的期待はあるんじゃないかなぁと思います(ここに表れている事実だけでの判断ですが)。

ニュースに出てくる弁護士は、「2018年4月より『無期転換ルール』が始まる前の雇い止めであることも指摘。『無期転換権の行使を妨害するために、こうした手を打ってきたと認識している。無期転換を妨害するための雇い止めのケースだということを訴えていく』」とも述べています。
それよりも、これだけ更新を続けてきたのに、っていうところが問題だと思いますけどね。

正社員にするのが厳しければ、人を期間がきたら交替するなどしていく必要がありますよね。
合理的期待を抱かせるというのは、従業員にとっても非常に酷な話だと思います。会社側の対応が少し甘いかなと思った事例でした。

※ 無期転換ルール=有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルール。

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