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ごあいさつ

命の値段?

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

最近、障害者の遺失利益認定-東京地裁というニュースがありました。
テレビのニュースでは、障害者の命の値段は、健常者より劣るのか、といったような取り上げ方だったと記憶しています。

争点は逸失利益だったと思われますが、障害者の命の値段という言い方は少し違うかなと個人的には思いました。
慰謝料は、基本的には健常者であろうが障害者であろうが基準は変わらないはずです(赤本などを参考にして算出する点は同じ)。

逸失利益(その損害賠償の対象となる事実がなければ得ることができたと考えられる利益)についても、その障害者(被害者)が得ることができたと考えられる利益がどれほどか、というのを判断したにすぎないと思います(他の事例と変わらないと思います)。

この裁判では、施設側が、被害者の逸失利益を「ゼロ」として主張したので、このような報道となったと思われますが、現在障害者雇用は大企業で一定程度義務付けられていたり、昔よりは進んできていると思いますし、障害者で働いていらっしゃる方は大勢いますので、「ゼロ」と言い切ることがおかしかったのだと思います。

裁判では、障害者と健常者との間に現に存する就労格差や賃金格差を無視するのも相当でない、として減額した金額としていますが、それも逸失利益の考え方からすれば当然の話で、事故がなければその被害者が得ることができた利益を考えた結果で、今までと考え方が変わったわけではないと思います。

法の下の平等が保証されている日本なので、司法では考え方自体を健常者と障害者で変えることはないです。考え方は同じですが、計算の基礎となる数字自体に差異があるので、差が出てくるのはある程度仕方がないとは思います(結局、障害者であろうが健常者であろうが命の値段は変わらないですよね、今までもこれからも)。

そのあたりの数字の部分や社会的な関わり方などを解決するのは、「政治」の仕事ですね。
障害者の方が働くのは大変な面もありますが、有意義な面もたくさんありますので、政府もどんどん前向きに進めてほしいと思います。

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