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ごあいさつ

物損の慰謝料について

こんばんは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

昨日は、慰謝料について書きましたが、ちょっと補足します。
「嫌な思いをした=慰謝料発生」ではないということは、昨日書きました。

精神的な損害というのは、客観的に説明しづらい部分が多々あり、本人しかわからないところがあります。
したがって、なかなか慰謝料というのは「嫌な思いをした」程度では難しく、よほどの立証をしていかなければ認められない(基本的に慰謝料のハードルはものすごく高い)ということなんですよね。

例えば、ファミレスで店員の不注意によりコーヒーを洋服にこぼされたとします。
そのお客にとってその洋服が一番気に入っているもので大変なショックを受けたとしても、その洋服の弁償(クリーニング代等)と別に慰謝料を請求できるわけではありません。

このように法的には、物損に慰謝料は原則認められません。

もっとも、物損に慰謝料が一切認められないかというとそうではありません。
例えば、交通事故によって被害者の子供のようにかわいがっていたペットが死亡したというケースで、飼い主である被害者に対して慰謝料として5万円が認められたケース(東京高裁平成16年2月26日判決)や、早朝就寝中、居住家屋に大型トラックが飛び込んで家屋修理代115万円のほか生活の平穏を侵害された精神的ショックに対する慰謝料として10万円が認められたケース(東京地裁八王子支部昭和50年12月15日判決)などがあります。

このように、ごく例外的に物損に慰謝料が認められるケースはあるものの、かなり稀なケースに限られており、認められても5万円~10万円程度が多い印象です。
このあたりの裁判実務については、普段慰謝料というものに接する機会がほとんどない相談者の方にはなかなか納得がしづらいところかもしれません。

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