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ごあいさつ

凸版印刷 代理人弁護士の「持論」に従った結果・・

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

さて、当事務所も顧問先企業から「社外労働組合から団体交渉の申込みがあったので、アドバイスしてほしい」という相談はたまにあります(規模が大きい会社の方が多いですね)。

最近のニュースで、「凸版印刷 代理人弁護士の『持論』に従った結果・・・」という記事がありましたので、ご紹介します。

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印刷業界大手の凸版印刷(金子眞吾社長)が、東京都労働委員会(都労委)から、組合の求める団体交渉に応じろと命じられた。命令書(7月4日付)によると、凸版印刷はさらに、新聞紙2ページの大きさの白紙に、楷書で「今後、このような行為を繰り返さないように留意します」と墨書して社内に張り出すことも命じられた。

凸版印刷の男性社員は、上司からのパワハラと不当な配置転換命令を受けたと訴え、企業別労組の凸版労組に相談したが「取り合ってもらえなかった」。そのため2016年3月、個人で加盟できる労働組合の「日本労働評議会」(労評)に加入した。

労評は2016年3月と4月に団体交渉を求めたが、凸版印刷は応じなかった。そのため、「団体交渉に応じないのは、不当労働行為だ」として、東京都労働委員会に救済を申し立てた。

労働組合法上、労働組合が団体交渉を求めた場合、会社は応じる義務がある。
なぜ、凸版印刷は、団体交渉に応じなかったのか?
その理由は次のようなものだった。

凸版印刷は、組合に送った2016年4月22日付けの文書で、労評について「貴殿らがいかなる団体であるか知りません」と主張した。

そして、労評が労働組合であることについては「当を得ないものと思料いたします」とした。

他の論点への回答も、次のような調子だった。

・団体交渉について
「『申入』をなしうるとする事実的および法律的根拠についてお示しください」

・組合が提案した日時について
「当を得ないものと思料いたします」

・組合が提案した、団体交渉の場所と出席者の案について
「貴殿らが、所論場所及び所論出席者で団体交渉を申し入れるべき根拠をお示しください」

結局のところ凸版印刷は、労評を「組合とは認めない」ので、組合側の主張について「当を得ない」(=まとはずれだ)などと主張しているわけだ。

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私も、顧問先企業にはアドバイスしますが、団体交渉の申し入れには必ず応じる必要があります(何度でも応じればよいのです)。

日本の場合、使用者に義務づけられているのは労働組合との話し合いのテーブルにつくことだけであり、組合の要求を受入れる義務はないんですよね。
会社としては、団体交渉に応じて「こういう理由で要求は受入れられない」、「こういう理由で解雇は有効だ」と説明すれば、会社側としては法律上の義務を果たしたことになるので、それを愚直にやるだけです。

最近は、外部の労働組合に加入して、そこが団交の申入れをしてくることがけっこう多いですね。

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