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ごあいさつ

産業スパイについて

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

先月(10月)20日の各社新聞に《本県豊川市にある切削工具製造大手「オーエスジー(OSG)」(東証1部上場)から「主力製品の設計図」などを不正に持ち出したとして、愛知県警が10月19曰、同社元社員の花見和敏・容疑者(62)を『不正競争防止法』違反〔営業秘密の領得〕容疑で逮捕した》との記事が掲載されていました。

花見容疑者(以下、Hと称す)の逮捕容疑は、今年1~2月に社有パソコンを使って製品情報などが保存されたOSGのサーバーに複数回アクセスし、複数の製品工作図などのデータを私有のハードディスク(以下、HDD)にコピーし、外部に持ち出したことです。
Hは、かつてOSGの研究部に所属したことのある、同僚だった中国人の男(以下、Cと称す)にデータを渡したことを認め、「退職後に将来、自分がコンサルタントなどをした際、Cから仕事を回してもらえると考えた」旨の供述をしているとされています。
Cは、OSG退社後、中国に帰国し、OSGと競合する企業で働いているとされます。
愛知県警によると、花見容疑者が持ち出した「製品設計データ」などは、加工性と耐久性に優れるタップに関するもので、製品を実際に複製できるほど詳細だったそうです。県警は、男が勤める中国の競合企業でOSGの技術を活用しようとした疑いもあるとみて調べを進め、10月20日、Hを身柄送検したことが報道されています。

何故こんなに早く容疑者を逮捕、送検できたかということが気になりますね。
Hが会社サーバーにアクセスしたのが今年1~2月ですから、逮捕に至るまで1年も経っていません。早期逮捕には、(ア)21世紀に入ってからのわが国における《スバイ事件》に関する法規制の進展と、(イ)被害を被った会社OSGに「不正は許さない。自社の営業秘密を守ろう」とする強い意思があったからだと考えられます。

最近の相談でも、産業スパイのような相談もたまにあります(独立開業含む)。
これからの企業経営では、この情報管理についてもう少し厳格に考えていく必要がありそうです。
(当事務所の顧問先会社については、事務所報などで対応策をお伝えしています)

詳しくは、また次回以降書いていくつもりです。

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