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2016 7月 6一覧

公正証書にしたのはいいけれど・・・

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

さて、離婚に際して、養育費の支払に関する公正証書を作成したいと相談を受けることはよくあります。

公正証書の場合、強制執行認諾文言を入れるのは弁護士であれば当たり前の回答だと思いますが、忘れてはならないのが送達証明に関する手続です。

強制執行を開始するには、債務名義の正本または謄本が、あらかじめ(または同時に)債務者に送達されていなければなりません。これは、債務者が強制執行を受ける根拠となる文書を受け取ることを保障するためです。そのため、強制執行する際には添付書類として、送達証明書が必要となります。

公正証書を債務名義として強制執行を行う場合には、公正証書謄本の送達が必要で、公正証書の原本を保管している公証役場で送達申請を行います。申請すると、公証人名で、債務者に特別送達により公正証書謄本が郵送され、証明書が発行されます。

しかし、実際に支払が滞ってから送達申請をしても、債務者の住所が不明になるなどして、送達ができないことがままあります。

では、どうすればよいでしょうか。

それは、公正証書作成当日に、債務者本人が公証役場に出頭して調印する場合には、その場で公証人から「交付送達」という手続をとってもらうことです。
送達手数料1400円と送達証明書1通250円がかかりますが、後に残る不都合が生じる可能性を思えば、公正証書作成時に交付送達をしてもらうよう、アドバイスしておく必要があると思ってます。
(自分のところに相談にくれば、必ずこれは指示していますね)

私も、最近数年前に離婚し、公正証書を作成した依頼者が公正証書をもとに強制執行したいという相談がきたのですが、案の定送達証明書が送達されていなかったため、送達証明書をまずもらう必要がでてきてしまいました。
結果的には、(ものすごい面倒な手続や時間を使いましたが)強制執行ができて、金銭を差し押さえることができたのですが、下手をすると強制執行ができなかったかもしれません。公正証書作成を依頼した専門家を聞いてみたところ、行政書士でした。やはり行政書士よりは弁護士に相談しておいた方がこういうところにも目が届きます。最近は、弁護士の費用も低減化されてきており料金もほとんど変わらないと思いますしね)

なお、代理人が出頭して公正証書を作成する場合には、交付送達という方法をとることはできませんので、ご注意を。

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