元農水省事務次官に懲役6年の実刑判決
こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。
最近、元農水省事務次官の引きこもり息子殺害に対する判決が言い渡されました。
結果は、懲役6年。
殺人罪としては、軽い部類に入るようにも思いますが、本件は情状酌量の余地があったと思われ、その面ではシビアでしたね。
判決では、父親が主治医や警察に相談する努力を怠ったとし、外部に助けを求めていれば・・・・というところがありました。
ただ、相談して変わったのか、といえば疑問ですね。
警察に相談というのも、経験した人からすれば「民事不介入」をキーワードに真剣に取り扱ってくれない、だとかいう話はよく聞きますし、主治医に相談することで親子関係って変わったんですかね。
どうすればよかったのか、と言われれば答えがでないですね。
自分のことだと思うと外部に相談できたかどうか。親しい人などには相談したでしょうけど、なかなか難しいですね。
判決後に記者会見した裁判員からは、「周囲にアピールしていれば、誰かが突破口を見つけてくれたかもしれない。一人で思い詰めることもなかったのではないか」とのコメントがあったようですが、周囲に「私は引きこもりの息子、家庭内暴力をふるう中年の息子がいるのですが、なんとかしてください」とか言うのですかね(難しいと思います)。
相談されればアドバイスをしますが、あくまで対応するのは父親と息子。相談された人ではありません。
個人的には、やはり離れて暮らすしかないのかなと思いますね。同居だとやはりいつかは衝突してしまうし、疲弊してしまうと思います。
他の方のブログで、「5歳虐待死、母親に懲役6年判決 福岡地裁」といった裁判例と比べて重いのではないか、と指摘されていましたが、そういわれると重く思えてしまいます。
とはいえ、どちらともとれるということは、けっこうバランスのとれた判決だったのかもしれないですね。
- 2019-12-18
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- by 豊田シティ法律事務所