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ごあいさつ

相続トラブルの防止に向けた動きなど

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

今日のニュースで、「小泉龍司法相は13日の閣議後記者会見で、デジタル技術を活用して本人が遺言を作成できるようにする民法の見直しについて、15日に法制審議会(法相の諮問機関)に諮問すると明らかにした」というものがありました。

現行は、遺言の全文を自書する必要がありますが、デジタル化によって負担を軽減し、相続トラブルの防止につなげる狙いのようです。

現在の民法は、本人が遺言を作成する「自筆証書遺言」の場合、自ら全文と日付、氏名を手書きし、押印しなければならないと定めています(財産目録については2018年の民法改正で、パソコンでの作成・添付が認められましたが、本文は対象とされませんでした。本人の真意に基づくことを担保するためなのですが、本文の全文手書きは作成時の負担が大きいとの指摘がありました)。

法制審では、パソコンをはじめとするデジタル機器を使った遺言書の作成方式が検討されています。
ただ、なりすまし等のリスクもあるので、その対策が絶対に必要ということは、以前にも書いたと思います。

そこで、今回の改正では、電子署名を活用したり、入力する様子を録音・録画したりする案も取り上げられるようです(録音・録画を併用すれば確かに効果はありそうですが、どこまでしっかり録音録画ができるのかは少々疑問)。

結局は、本人意思がしっかり担保されるかの問題ですね。
手書きと違って本人が書いた遺言と確認しづらくなるため、押印する必要性の検証やデジタル機器を使える範囲も議論されるようです。

心配なのは、ある特定の子の意向が働いて、遺言が作成されるケースなどです(日本経済が伸び悩むなか、相続などの不労所得を期待する人はこれから増えそう)。

現時点では、公証役場で公証人に作成してもらう公正証書遺言が適正確保の観点からは優れていると思いますので、遺言を本気で作成したい人は公正証書遺言の作成をお勧めします。

あと、昨日4歳という幼い命がまた失われたというニュースを目にしました(「4歳女児、毛髪から向精神薬成分検出 不凍液など薬物繰り返し摂取か」)。
こういった虐待死のような話がなくなりません。
大人の未来はだいたい先が見えていたりすることもありますが、子どもの未来はいろいろな可能性に満ちています。
未来ある子どもの将来を奪う権利は親であってもないはずであり、こういったニュースを今後見なくなる日がくることを祈ります。

 

※ Mr.Children「未来」

生まれたての僕らの前にはただ 果てしない未来があって
それを信じていれば 何も恐れずにいられた
そして今僕の目の前に横たわる 先の知れた未来を
信じたくなくて 少しだけあがいてみる

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