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ごあいさつ

定額残業代

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

最近、未払残業代の請求が多いと聞きますが、当事務所でも顧問先企業が未払残業代の請求を受けたことがあります。

これを防ぐには、手当が給料に入らないようにあいまいな手当をつくらないことと定額残業代(みなし残業手当)を整備することに尽きます。

最近、ブラック企業の問題が世間で騒がれるとき、定額残業が諸悪の根源のように報じられたりしますが、定額残業自体が悪いわけではないことに注意すべきです。

定額残業自体が悪く言われるとすれば、「何時間分の残業代なのか、明確にしていなかったことと、それ以上に残業しても残業代をまったく支払っていなかった」というケースです。

すなわち、何時間分の残業代と就業規則で明確にし、それを超えた場合はきちんと残業代を支払うようにすればよいのです。
残業代は、タイムカード等で簡単に立証できてしまう分、弁護士のところにきても手遅れのことも多いです。

したがって、顧問会社には、定額残業代の規定を入れるように勧めています(きちんと何時間分の残業代か明確にして)。
中小企業においては、定額残業を活用しないと経営は、かなり厳しくなりますので、きちんと整備すべきです(きちんと整備して、きちんとオーバー分を支払えば問題ありません)。

中小企業には、やはり予防法務の観点も忘れてはならないと再認識しました。私の関係する会社には、どんどん周知してきたいと思います。

生前贈与

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

さて、相続の相談をしていると「つもり贈与」(贈与したつもりだったのに、相続時に贈与とは認められず相続財産とされてしまうケース)というのに出くわすことがあります。

例えば、親が子供の口座に毎年100万円ずつ定期預金をしていた、というケースで、子供の了解がない場合などです。

贈与といっても、契約ですので、当事者間の合意があってはじめて有効になります。
したがって、贈与の都度、贈与契約書を作成するということが有効でしょう。

そして、通帳や印鑑、キャッシュカードの管理は贈与を受けた本人が行うことも必要です(贈与した者が管理しているとただの預金と誤解されるリスクも)。

あとは、お金の贈与は振込で行うことも記録が残っていいですね。

なお、110万円以下でも課税されるケースがあるので注意しましょう。
(例えば、10年間にわたって毎年100万円ずつ贈与を受けることを贈与者と約束している場合などは、権利の贈与となる可能性があり贈与税の可能性高いです)

はや2月

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

もう2月に入りました。ということは、1/12が既に終わったということです。早いですね。

2月に入り、原因不明の腹痛を起こし、丸一日寝ていたことがありました。
(午前中の来客は、なんとか対応できましたが、正直かなり辛かったです・・・。夜のクライアントとの打合せは翌日に延期にしてもらい、その日はずっと寝ておりました)

翌日からなんとか体調は持ち直したものの、この事務所は自分が倒れてしまうと動かないということを思い知りました。
事務員さんのお給料も事務所の家賃も毎月の高額の弁護士会費もリース代も事務所には毎月多くの経費がかかっていますが、それも自分が倒れてしまったら支払えないんですよね(事務所がつぶれます)。
それを思い知りましたので、やはりこの仕事身体が資本であり、体調管理をしっかりやっていくことを決意しました。まずはしっかり寝ないといけないですね。

さて、以下は、前回のコラムの続きです。

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1 国家指導者では、誰がタックスヘイブンを利用していたか?

まず、『バナマ文書』の暴露で、平成28年4月上旬、最初に辞任に追い込まれたのがアイスランドのグンロイグソン首相(当時) です。

英国のキャメロン首相も、過去に亡父がパナマで開設したファンドへの投資で利益を上げていたことを認め、世論の指弾を浴びました。

ロシアのプーチン大統領や中国の習近平・国家主席ら多くの国家指導者も、親族や側近らの関与が明るみに出て、世界に大きな衝撃を与えました。
プーチン大統領は、親友のチェロ奏者が租税回避地を経由して20億ルーブル(約2,200億円) もの不透明な取引を行っていたと指摘されていますが、「汚職を示すものは何もない。(ロシアの)情勢を内部から揺さぶろうとするものだ」と“陰謀論”を展開し、自身に関する疑惑を否定しています。

習主席の場合は、義兄の名前がカリブ海の<英領バージン諸島>に設立された3社の株主や取締役として記載され、共産党序列5位の劉雲山・政治局常務委員の義理の娘や同序列7位の張高麗・筆頭副首相の義理の息子も、同諸島にある会社の役員や株主となっていたと報道されています。

しかし、中国ではその点に関する国際放送のニュースは遮断され、ネット上の転載文章や書き込みは削除され続けているといわれており、各国それぞれの対応が見られるようです。

2 タックスヘイブン(租税回避地)の特徴

租税回避地とは、外国企業や富裕層の資産を誘致するために意図的に税金を優遇(無税か極めて低い税率)している国や地域を指します。

それらの国・地域は、課税逃れ、暴力団やテロ組織などのマネーロンダリング(資金洗浄)等に利用されていると指摘されています。

租税回避地の特徴は、①税金が無税かほとんど掛からない【税率の低さ】、②誰がお金を隠しているかが見えない【秘匿性が高い】、③書類上の本社移転などの手続きが簡単にできる【金融規制が殆どない】――の3つです。

このような環境は、投資や財産秘匿、資金洗浄に最適の環境だといえます。国際金融の専門家によると、世界の銀行資産の半分は租税回避地を経由して送金され、国際的な銀行業務や債券発行業務の8割以上が租税回避地で行われているとみられ、富める者がますます富む状況になっています(つづく)。

新たな仲間

こんにんちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

さて、今週から新しい仲間がきてくれました。
新しい事務員さんのおかげで、電話や郵便など大変助かっています。

40人を超える応募があったのですが、その中で採用を決めただけあって、非常によくやってくれています。
事務員が一人産休に入るので今は一人ですが、育休明けには事務員2人体制になる予定です。

新しい事務員さんには、戻ってくるまでなんとか頑張ってほしいですね(2人体制になると仕事の負担も減りますし、より仕事もしやすい雰囲気になると思います)。
少しでも働きやすいと思えるように、弁護士の立場からできるだけのことをしたいと思います。
事務所も少しずつ拡大し、非常に楽しみです。

さて、以下は、前回のコラムの続きです。

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2.税制度は、「国家主権」そのもの

さて2013年のG8(当時、ロシアも参加していた)サミットの共同声明では、「多国籍企業が世界のどこで利益を生み、どこで税を支払っているか、税務当局へ報告するための共通のひな型づくりに取り組む」と記されています。

その対策として経済協力開発機構 (OECD) は、昨(2015)年、『経済実態のない国への企業の利益移転を防ぐ仕組みを整理した報告書』をまとめ、先進国だけでなく新興国も含めた44か国が合意しています。

また、今年4月中旬に米ワシントンDCで開催された「G20会合」(20か国財務大臣・中央銀行総裁会議)の声明文には、タックスヘイブン国も含む各国の《自動情報交換の仕組み》の構築が盛り込まれました。
例えば、日本居住者がタックスヘイブンを含む外国に口座を開設すれば、その情報(口座残高、利子・配当など)が自動的にわが国の税務当局に送られてくる仕組みです。

これについては、2017年までに「新たに55ヵ国・地域が交換を始める」ことが既に合意されており、わが国も1年遅れの2018年までに情報交換すべく、国内法などの整備を行ったところです。

(ちなみに、米国はこれには参加していませんが、国際税務の専門家によると、米国は2015年から『FATCA(外国口座コンプライアンス法)』という、より厳しい《自動的情報交換》を実施済みで、この問題への対処は最も進んでいると考えられています。しかし、当局の監視強化によって富裕層の節税の舞台がオフショア=海外から米国内の規制や税率の緩い州に移っただけ、との声もあります。事実、ネバダ州(ラスベガスのある州)や デラウェア州(首都ワシントンのある州)、ワイオミング州(ロッキー山脈の東側)などでは、規制や税率面で企業活動が優遇されており、個人の富裕層も「効率的な納税のためのペーパーカンハニーをつくって、合法的な節税スキームを構築しやすい」とつぶやいていると言われています。アメリカは国内でそのような問題を抱えていることを知っておく必要があります。)

このような事情を受け、世界的には累計96ヵ国・地域が《自動的情報交換》の対象になると見込まれています。

先の「G20の会合」声明文には、「《自動的情報交換》に係る基準を2017年 または2018年までに実施することにコミットしていない全ての関係国に対し、コミットすること及び多国間条約に署名することを求める」ことが謳われ、そのうえで「7月会合までに<税の透明性>に関する非協力的地域を特定するための客観的基準をつくることを指示する」とされています。

その結果、あらゆるタックスヘイブンに対して《自動的情報交換》を迫ることになり、それをモニターするメカニズムも構築される計画です。

秘密文書が漏洩したパナマや大西洋南西部のナウルやバヌアツ、ペルシャ湾のバーレーンなどの国々は《自動的情報交換》に参加していませんが、先の声明文による影響もあり、すでにパナマは「文書漏洩で投げかけられた疑念を払拭すべく、<透明性の確保>を強化し、2018年までに50~60か国・地域と税務情報を交換する協定を結びたい」旨を公表しています。

このような租税をめぐる国際情勢を考えると、タックスヘイブン諸国は逃げ場がなくなり、最終的にはその他の国・地域も参加せざるを得なくなるのではないかとも考えられますが、「税は国家そのもの」ゆえに予断は許されないというのが現状のようです(つづく)。

【コラム】パナマ文書③

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

今週は、非常勤裁判官の臨時出廷日があったので、週2回名古屋の裁判所へ行きました(どうしても関係者の期日が入らなかったというものです)。
臨時で行ったかいあってか?無事調停が成立し、安堵しました。

調停は、不成立か調停成立かで大きく結論が分かれますが、不成立ですと紛争が残ったままとなりますので、裁判官の立場としてはできるだけ調停成立としたいという気持ちがあります。

調停委員もベテランの弁護士が担当している件であると、参考になる部分もありますね。今回の成立も調停委員の進め方が素晴らしかったと思います。
違う場面でぜひ生かせれたらと思っています。

さて、久しぶりに【コラム】の続きを転載します。

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1 先進各国とも「課税強化」の必要性に迫られている。

先進国はどこも財政が悪化し、景気を刺激する財政対策と財政規律とが攻めぎ合って、政府は有効な手だてを打てないのが現状です。

背景には「税金逃れ」に走る巨大企業や富裕層がいて、税収不足の解消を庶民への間接税(日本の消費税、欧米の付加価値税)の増税に頼り、納税者の苛立ちが政治を一層不安定にするという悪循環があります。

また、1980年代以降、新自由主義による経済運営の影響で、各国内の《経済格差》が拡大しています。
さらに2008年9月の米国発の《リーマンショック》(=金融危機)による深刻な影響を受け、ここ数年、欧州では企業や富裕層による《租税回避地》の利用に対する怒りが溜まっていたと言われています。

ドイツに主導されるEUの各国政府は緊縮財政に取り組むとともに<課税強化対策>も進めており、租税回避地への規制は年々強化される方向にありました。そこに『パナマ文書』問題が起こったのです。

そのため今、世界中の先進国は、一部の富裕層と多国籍企業が税金の逃避先として利用しているタックスヘイブン(tax haven“租税回避地”の意味)を無視できなくなり、《強者による税逃れ対策》を前面に打ち出す必要に迫られているわけです。

金融や税の専門家によると、《租税回避問題》は「市場経済が作り出した闇」であり、「金融資本主義の自画像」といわれています。税金で成り立つ「国民国家」にとって、タックスヘイブンを利用した《税金逃れ》は最大の背信行為で、いわば金銭面で国家転覆を図ろうとするようなものです。しかも世界で名だたる企業や、権力を握る政治家、人も羨む大金持ちが利用しているからタチが悪いのです。

さて、税制度は「国家主権」の最たるものです。英国の離脱で騒がれているEUにしても、一部の例外を除き、通貨はユーロで統一されていますが、税の仕組み、つまり財政制度は各国の運営に任されています。

そのような中で、一部の政治家や富裕層、多国籍企業などの《強者による課税逃れ》がまかり通れば、「国民国家」は持ちこたえられません。

彼らが本来、税金を納めるべき国に納めず、国内的に税制の歪みが出てくれば、その国の国民は黙っていないでしょう。『パナマ文書』問題はそういう深刻な問題を引き起こしているのです(つづく)

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