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ごあいさつ

新たな仲間

こんにんちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

さて、今週から新しい仲間がきてくれました。
新しい事務員さんのおかげで、電話や郵便など大変助かっています。

40人を超える応募があったのですが、その中で採用を決めただけあって、非常によくやってくれています。
事務員が一人産休に入るので今は一人ですが、育休明けには事務員2人体制になる予定です。

新しい事務員さんには、戻ってくるまでなんとか頑張ってほしいですね(2人体制になると仕事の負担も減りますし、より仕事もしやすい雰囲気になると思います)。
少しでも働きやすいと思えるように、弁護士の立場からできるだけのことをしたいと思います。
事務所も少しずつ拡大し、非常に楽しみです。

さて、以下は、前回のコラムの続きです。

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2.税制度は、「国家主権」そのもの

さて2013年のG8(当時、ロシアも参加していた)サミットの共同声明では、「多国籍企業が世界のどこで利益を生み、どこで税を支払っているか、税務当局へ報告するための共通のひな型づくりに取り組む」と記されています。

その対策として経済協力開発機構 (OECD) は、昨(2015)年、『経済実態のない国への企業の利益移転を防ぐ仕組みを整理した報告書』をまとめ、先進国だけでなく新興国も含めた44か国が合意しています。

また、今年4月中旬に米ワシントンDCで開催された「G20会合」(20か国財務大臣・中央銀行総裁会議)の声明文には、タックスヘイブン国も含む各国の《自動情報交換の仕組み》の構築が盛り込まれました。
例えば、日本居住者がタックスヘイブンを含む外国に口座を開設すれば、その情報(口座残高、利子・配当など)が自動的にわが国の税務当局に送られてくる仕組みです。

これについては、2017年までに「新たに55ヵ国・地域が交換を始める」ことが既に合意されており、わが国も1年遅れの2018年までに情報交換すべく、国内法などの整備を行ったところです。

(ちなみに、米国はこれには参加していませんが、国際税務の専門家によると、米国は2015年から『FATCA(外国口座コンプライアンス法)』という、より厳しい《自動的情報交換》を実施済みで、この問題への対処は最も進んでいると考えられています。しかし、当局の監視強化によって富裕層の節税の舞台がオフショア=海外から米国内の規制や税率の緩い州に移っただけ、との声もあります。事実、ネバダ州(ラスベガスのある州)や デラウェア州(首都ワシントンのある州)、ワイオミング州(ロッキー山脈の東側)などでは、規制や税率面で企業活動が優遇されており、個人の富裕層も「効率的な納税のためのペーパーカンハニーをつくって、合法的な節税スキームを構築しやすい」とつぶやいていると言われています。アメリカは国内でそのような問題を抱えていることを知っておく必要があります。)

このような事情を受け、世界的には累計96ヵ国・地域が《自動的情報交換》の対象になると見込まれています。

先の「G20の会合」声明文には、「《自動的情報交換》に係る基準を2017年 または2018年までに実施することにコミットしていない全ての関係国に対し、コミットすること及び多国間条約に署名することを求める」ことが謳われ、そのうえで「7月会合までに<税の透明性>に関する非協力的地域を特定するための客観的基準をつくることを指示する」とされています。

その結果、あらゆるタックスヘイブンに対して《自動的情報交換》を迫ることになり、それをモニターするメカニズムも構築される計画です。

秘密文書が漏洩したパナマや大西洋南西部のナウルやバヌアツ、ペルシャ湾のバーレーンなどの国々は《自動的情報交換》に参加していませんが、先の声明文による影響もあり、すでにパナマは「文書漏洩で投げかけられた疑念を払拭すべく、<透明性の確保>を強化し、2018年までに50~60か国・地域と税務情報を交換する協定を結びたい」旨を公表しています。

このような租税をめぐる国際情勢を考えると、タックスヘイブン諸国は逃げ場がなくなり、最終的にはその他の国・地域も参加せざるを得なくなるのではないかとも考えられますが、「税は国家そのもの」ゆえに予断は許されないというのが現状のようです(つづく)。

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