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ごあいさつ

2020 5月 24一覧

ネット上の誹謗中傷

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

昨日、テラスハウスに出演中だった女子プロレスラーの方が亡くなった、とのニュースがありました。
原因は、ネット上での誹謗中傷とのことです。

木村花さんのツイッターに「消えろ」「気分悪い」などと書き込んでいたアカウント、相次ぎ消える

女子プロレスの同僚の方が、「言葉は時に鋭利過ぎるナイフになって人の心の奥深くを無残に切り裂き荒らす」と述べおられましたが、「言葉はナイフ」というのはそのとおり。
しかも、足を踏まれた人は一生覚えているが、足を踏んだ人は覚えていない、というように、言葉には気を付けないと、後で知らず知らずのうちに関係が悪くなっていたり(避けられていたり、嫌われていたり・・・)、ということが往々にして起こります。

なので、「言葉はナイフ」ということを肝に銘じる必要がありますよね。

また、今回のことで考えたことは、自粛警察というところでもありましたが、「自分が正しい」という先入観を捨て、正義は一つではないことをしっかり認識すること、だと考えます。

自粛警察は、たしかにコロナのことを考えれば、攻めたくなる気持ちはわかります。
しかし、報道でも繰り返し言われているように、コロナ感染による命と経済的な破滅による命は、両方フォローしなければならないことです。
自粛のなか営業している人も、従業員の生活であったり、自分の生活を守らなくてはならないケースだってあります。

どちらも「正義」です。
正義は、一つではないので自分こそ正義と思って突き進んでいくと、紛争が解決できなくなります。
例えば、太平洋戦争の原爆投下であっても、アメリカ側はリメンバーパールハーバー(真珠湾攻撃から始まった戦争の終結を早めた)という意味で、「正義」と考えている人も多いですし、日本側は、一般人も無差別にしかも何万人も殺すことは「正義であるはずがない」と考えています(自分もそう思います)。
このように、正義は一つではないので、(相手の立場もひょっとしたら何か理由があるかも・・・)と思いやる気持ちも大切だと思います。

他人がどう考えるか、を意識して行動することが、すなわち相手方の立場を意識して行動できることが、「誠実」だと自分は考えていますが、その意味で自粛警察は、不誠実だと思います(張り紙などは業務妨害罪や器物損壊罪にもあたりうるし、脅迫罪にもあたり得るもので、犯罪か犯罪スレスレだと思います)。
相手の立場を考えず、相手の立場を(直接確認せず)自分のいいように解釈して、行動する人を目にしますが、そういう人は「不誠実だなぁ」といつも思います。

こういう悲劇を無くすためには、個々人が「ホメ芸を目指す」ということが解決策になるのかもと思います。
中谷彰宏さんの本が好きでよく昔読んでいましたが、中谷さんは徹底した「ホメ芸」の方です。本でも人を非難することはほとんどありません。
あの人のいいところは何か、ということを見つけることは難しいですが、それをしていくことで知性が磨かれますし、こういう事態を避けられるような気がします。

最近、自分の中で好感度急上昇中の一人、タレントの武井壮さん(47)も「ツイートで汚い言葉を人に投げかけるってこと。。本当に人の心を傷付けるってまだ分かんねえのかなあ。。オレなんか陽気でそんなもんパコーンてできるけどさ。。そうじゃない人もいるんだよ。。」(原文まま)と述べていました。本当に同感です。
(ただ、テラスハウスのような番組に出演すること自体、視聴者から賛否両論の意見が出ることはある意味当然であり、それが耐えられないのであれば出演自体しない方がよかったのかなという思いもなくはないので難しいのですが・・・)

著名人のコメントもいくつか見ましたが、乙武さんのコメントが秀逸でしたね。

「たぶん、そこまで悪意があったわけではなかったのだと思います。ナイフで刺したわけでも、ピストルで撃ったわけでもなく、ただそのへんの小石を投げただけの感覚だったのだと思います。だけど、投げているほうは「たった一粒の小石」でも、投げられている本人には見えない相手から投げられる言葉は鋭いナイフのように感じられるし、たとえ小石に感じられても、それがどこの誰かもわからない相手から無数に飛んでくれば、回復しがたいダメージが蓄積されていきます。あなたの、ほんの軽い言葉は、誰かの命を奪ってしまうかもしれないのです」

誹謗中傷も、名誉棄損罪になることは十分ありうるので、ツイッターとかで軽々しく誹謗中傷するのは思わぬ結果となることもあるし、避けたいですね。犯罪かもしれないし。
(ネット上の名誉棄損の相談も増えて生きているように思います。このこと(ネット上の言論の怖さ、影響力等)は、学校で教えるべきだと思いますね)

爆笑問題の太田さんの「本人が見るんだっていう意識と、何でも言っていい場所ってこの世界にはないですからね」というところがポイントのように思います。
家族であったとしても、どれだけ近い人であっても、「なんでも言っていい場所」というのはこの世界にない、ということであり、「まずは、(言いたいことを)ぐっと我慢する」という意識が重要なんだと思います。

ちなみに、他に好感度急上昇中の人は、小島よしおさんですね。
休校中の勉強についてYouTubeなどで上げられていて、かなり好評のようです。

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