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2020 5月 20一覧

「つもり贈与」には要注意

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

親の世代や子や孫の世代に相続時ではなく、生前に財産を上手に渡す方法として、贈与する方法があります。
しかし、「贈与したつもり」だったのに、相続時に贈与とは認められず相続財産として相続税の対象となってしまったという例はよくあります。

例えば、親から生前贈与された子ども名義の預貯金が、親が亡くなって相続が発生した際に相続財産とされてしまった事例があります。
この場合、親自身の預金とみなされ、相続税の課税対象になる相続財産とされます。

裁判で争って、「相続財産」とされてしまった事例もあります。
理由は、例えば、親は子に通帳の届出印は渡していたが、通帳は親が保管していたり、預貯金等を贈与する旨の契約書が作成されていなかったり(口約束はあっても)、親が必要に応じて預貯金の一部を解約して使用していたなどがあります。

それでは、生前贈与と認められる条件はどのようなものでしょうか。

贈与について、民法では「当事者の一方が自己の財産を相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾することによって成立する」とされています。
したがって、一方的な意思表示のみで成立するものではなく、当事者間の契約があってはじめて有効になります。

税務調査等で、生前贈与した事実を証明できるように以下の点に注意することが必要です。

1 贈与の都度、贈与契約書を作成する
口約束でも契約したことになりますが証拠にはなりません。当事者双方に「財産をあげます」「財産をもらいます」といった意思があったことを証明するためには、書面(贈与契約書)を残しておくことが大切です。

2 通帳や印鑑、カードの管理は贈与を受けた本人が行う
贈与財産をもらった人がその財産を自分のものとして管理し、自由に使える状態でなければ贈与したことになりません。
したがって、通帳や印鑑は、贈与した人ではなく贈与を受けた人が保管・管理するのが当然となります。
贈与者自身が引き出したり解約したりできる状態では、贈与者の預金(子などの名義を使った名義預金)として判定されてしまいます。

3 お金の贈与は振込で行う
贈与した事実が、通帳等で確認できるようにしておくことが重要です。
手渡しというのは、立証が難しくなり、自分で使ったとか判断される可能性があります。

年間110万円以下であれば贈与税がかからないという知識は皆さん持っているかと思いますが、結果として相続財産として加算されてしまう可能性もありますので、しっかり対策をしておきたいですね。

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