弁護士法人の破産
こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。
弁護士法人としては過去最大の倒産、法律事務所として過去最大の倒産というニュースがあり、何人かから「弁護士が破産するなんてどういうこと?」といった問い合わせを受けました。
この事務所は、2012年(平成24年)4月設立の法律事務所。個人向けでは債務整理、離婚・家庭内問題、交通事故、労働問題、不動産問題、B型肝炎給付金請求など、法人向けでは一般企業法務、事業再生・倒産といった案件を手掛けていたようで、特に債務整理、過払金返還請求、B型肝炎関連などを手がけていた弁護士事務所のようです。
この事務所には、複数の弁護士が所属し、過払金返還請求・借金問題の出張無料相談会を開催することで実績を重ねていたようです(東京の事務所が地方都市の公民館などで無料出張相談を行うといったチラシをよく目にした記憶があります。特に過払い金請求訴訟や、B型肝炎給付金請求訴訟に関しては積極的な広告展開を行い、弁護士法人として一定の知名度を有していたようですし、相当な広告費がかかっていたと推測します)。
急激に規模を拡大していましたが、2020年6月10日、総社員の同意により解散していた、とのこと。会費の未納が発生していたことで、第一東京弁護士会から破産を申し立てられていたことで、今回のニュースにつながりました。負債は、約51億円で、どんな負債があるのかかなり疑問です(高額な報酬などで依頼者に損害を与えていなければいいですが、聞こえてくる情報によるとかなり被害者がいるみたいですね)。
この事務所の名前は弁護士法人東京ミネルヴァ法律事務所(TDB企業コード:686006787、東京都港区新橋2-12-17、清算人川島浩氏)で、6月24日に東京地裁より破産手続き開始決定を受け、破産管財人は岩崎晃弁護士(東京都中央区八丁堀4-1-3、岩崎・本山法律事務所、電話03-6222-7233)のようです。
弁護士人口の急増により、法律事務所も経営が厳しくなっているのは事実だと思いますが、依頼者の方は、どこの事務所に相談するかでかなり結果が変わってきてしまうと思います。この東京ミネルヴァ法律事務所に相談した人は、お金を払ったまま放置されていることになることが推測され、不安になっている人も多いかと思います。
当事務所も、選ばれる事務所になるのは当然として、これまでどおり安定経営を続け、しっかり仕事をすることで依頼者の皆さんに「安心」を提供しないといけませんね。今までもこれからも。
- 2020-06-25
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- by 豊田シティ法律事務所