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ごあいさつ

2020 10月 11一覧

執行猶予中に麻薬使用、再び猶予判決

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

さて、執行猶予中の人が犯罪を犯すと、実刑になるというのがほとんどです(いわゆる「弁当持ち」と言われています)。
しかし、刑法上「再度の執行猶予」というものが認められていて、前刑が保護観察付でなく、情状に特に酌量すべきものがあるときで、今回の刑が1年以下の懲役の場合は、執行猶予中でも執行猶予が認められます(ただ、見たことがないですね)。

(以下、読売新聞から引用)


執行猶予中に麻薬を使ったとして、麻薬及び向精神薬取締法違反に問われた大学生の男(23)に対し、甲府地裁は8日、再び執行猶予付きの判決を言い渡した。執行猶予中の被告に再び執行猶予が付くのは異例で、荻原弘子裁判官は「本音で言えば甘い判決」と述べた。

判決によると、男は今年1月、山梨県富士河口湖町の宿泊施設で合成麻薬LSDを服用した。男は7月に逮捕されたが、当時は詐欺未遂事件で有罪判決を受けて執行猶予中だった。

荻原裁判官は男に懲役1年、保護観察付き執行猶予5年(求刑・懲役1年2月)の判決を言い渡した後、「ここからは本音」と断ると、「正直言って甘い判決だと思う。裁判官が10人いたら9人は実刑判決の事案。検察官が控訴すれば、高裁は実刑と判断するかもしれない」と述べた。

それでも執行猶予を付けた理由については、母親が男と一緒に鹿児島・屋久島の実家に移住して生活を変え、男も薬物仲間との関係を断つと約束したことなどを挙げ、「再び薬物に手を出せば人生をどぶに捨てることになり、家族の人生も奈落の底に突き落とすことになる」と諭した。


 

家族が見捨ててないことを裁判官が重視してくれたのでしょうね。
同種前科でないことも影響があったように思いますし、今回の刑がいわゆる「被害者のない犯罪」と言われる薬物犯罪であったことがポイントだったように思います。
(被害者がいる犯罪では、被害者の意向からして、再度の執行猶予はさらにハードルが高くなると思います)

量刑データなどで淡々と判断を下す裁判官も多いなか、こういう裁判官がいることは日本の裁判も捨てたものではないなと思います。
ケースバイケースで、再度の執行猶予が認められる事案というのはあってしかるべきで、今回の被告人は、その裁判官の恩情に感謝して更生してもらいたいと思います。

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