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ごあいさつ

2020 10月 16一覧

最高裁判例

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

非正規労働者にボーナス(賞与)や退職金が支給されないのは不合理か否か―。
待遇格差を巡って争われた2件の訴訟で、最高裁は、いずれも不合理と認めない判決を下しました。

正社員との不合理な待遇格差を禁じる「同一労働同一賃金」制度を新たに導入した国の施策に逆行する判断にも映りますし、自分も大変驚きました(労働法の教授たちから批判がされています)。

他方、昨日の日本郵政の件については、労働者側が勝ちました。

報道ベースの記事だけ読んでいると、あたかも非正規社員に対しては賞与と退職金を支給しなくても問題ないと思われる方もいるかもしれませんが、すべてそういうわけではありません。
また、各種手当(なお、10月の最高裁判決で争われたのは、扶養手当、年末年始手当、夏季冬季手当)についても、正社員と同様に非正規社員に対しても支払わなければならないと絶対視するのも誤りです。
各事業者の個別事情が大きく影響していることを重視する必要があります。

では、今度どのように対策するべきでしょうか。

とりあえず現時点で注目している事項は次の点です。

①支給する手当等について、なぜ支払うのか目的や対価内容を明確にすること
 例えば、抽象的に社員のため=労働者の福利厚生のために各種手当等を支給しているというのであれば、正社員と非正規社員、どちらも労働者である以上、福利厚生を充実させるべきであり、正規と非正規とで区別する理由がありません(会社は負けます)。
 一方で、長期勤務してもらうための恩恵を与える(退職の防止)という目的であれば、短期労働しか予定されていない非正規社員には支給無、正社員には支給するといった合理的区別を説明できるかもしれません(会社が勝つ可能性)。
 その意味で、手当等とその対価内容は吟味する必要があると思われます。

②労働実態が区別できるようにすること
 例えば、上記①で記載した長期勤務してもらうための恩恵という名目で支給していた場合、非正規社員であっても契約更新を繰り返し、実質的には正社員と何ら変わりがないという労働者も存在します。
 こういった正社員と非正規社員との労働実態に相違がない場合は、非正規社員に対して支給しないのは不合理という結論になってしまいます。

今後は、JOB型雇用(行った仕事に対して報酬が発生する)が増えていくのではないか、と言われています。
同じ仕事をしているのに待遇で大きな差があれば、理不尽に感じるのは人として当然です。
企業側は、ボーナスや退職金の支給目的や支払い基準といった賃金体系を明確にする必要が出てきたということでしょう。

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