「身元保証書」に記載すべき損害賠償額の上限について②
こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。
さて、昨日は、2020年4月から、身元保証人の賠償額について「上限」を決めなければならなくなったことを取り上げました。
今まで身元保証書で「会社に損害があった場合は、本人と連帯して賠償する」と記載されていた部分について、今年の4月以降は、「会社に損害があった場合は、〇〇万円を上限として本人と連帯して賠償する」と記載しなければ、その身元保証契約自体無効になってしまいます。
金額設定
金額設定について法律の定めはないため、企業が自由に設定できます。
ただし、あまりに高額な上限額を設定すると身元保証そのものを拒まれることになりますし、入社時に取り交す書類としては心証も良くないでしょう。
これは、現実に想定される損害賠償事件(物品の破損、取引先への損害賠償、横領など)、または身元保証人の経済事情を考慮した上で妥当な金額設定をする必要があるでしょう。
今後の運用について
まずは現状の身元保証書提出の実態がどのようになっているか確認しましょう。
また、過去に自社や同業他社で身元保証人に損害賠償請求を行った事例について調査し、上限金額つきの身元保証書への変更を検討しましょう。
身元保証書の管理や更新がなされていないのであれば、2020年4月の民法改正を機に身元保証人制度の廃止を検討しても良いかもしれません。
(ただ、会社の担当者の話だと、「全くなしにしてもらうのも・・・」という抵抗感があるようで、そのバランスが難しいですね)
- 2020-03-02
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- by 豊田シティ法律事務所