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ごあいさつ

2020 3月 14一覧

LINE

こんにちは。
豊田シティ法律事務所の弁護士米田聖志です。

さて、最近は案件の重要な証拠にLINEが登場することが珍しくなくなってきました(特に、不貞の慰謝料請求や離婚事件など)。
LINEやメールなどで退職の連絡をすることは一昔前ならば「非常識」とみなされていました。

ところが、現在の情報伝達ツールとしてLINEは最もメジャーといっても過言ではありません。
働き方の多様化とコミュニケーションツールの進化に伴い、社内のコミュニケーションも日々変化しています。一昔前は考えられなかったLINEなど新しいデジタルツールでの情報交換も、今やそれほど珍しくはありません。

では、世の中の常識が変わる中、このようなギャップにどう対応すれば良いでしょうか。
例えば、「LINEでの退職連絡」などは「あり」でしょうか。

LINEでの退職連絡は「あり」
法律上は以下の民法に規定されているように、退職連絡の「時期」については規定されていますが、「方法」については特段の制限がありません。

民法第627条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

つまり法律上は、退職連絡の方法はLINEであっても構わないとなります。

就業規則に規定した場合
過去の判例では、就業規則に「退職連絡は書面による提出に限る」と規定していることをもって、書面以外の方法での退職の意思表示を否定したものがあります。
この意味で「会社はルール上書面でしか受け付けない」とLINEでの連絡を拒否し、書面で出し直しをさせることも不可能ではありません。

しかし、世の中の流れを考えると、退職の意思表示の方法は書面に限らず多様性が認められる方向に向かうのではないかと予想できます。

LINEでの退職連絡を受ける時の注意点
LINEでの退職連絡を受け入れる場合、以下の点について注意する必要があるでしょう。

【1. 判断できる担当上司に取り次ぐ】
LINEでの退職連絡を受けたのが決定権のない先輩社員などだった場合、判断のできる担当上司に適切に取り次ぐことが必要でしょう。「退職連絡に対して自分だけでは判断ができないので、●●部長とやりとりして下さい。」などと伝え、ふさわしい当事者間でやり取りができる状態を作りましょう。

【2. 退職相談と退職の意思伝達の切り分け】
連絡が、単なる相談なのか、辞める意思が固いのかを判断する必要があります。メッセージの往復または面談により慰留すべきか退職を受理するかを判断しましょう。

【3. 退職理由、退職日、受理の明記】
退職を受け入れる場合、「退職理由」「退職年月日」および「退職の届を会社が正式に受理した旨」をメッセージに明記しておきましょう。あとから退職の撤回をされたり、退職理由や退職日で争ったりすることを防ぐためです。

LINEであれば既読機能がついているので、「●年●月●日付、自己都合退職として会社は正式に受理をしました」などと送信し、既読になった状態を作っておくと良いでしょう。

【4. 画面やテキストデータの保存】
退職年月日や退職理由について双方が合意したメッセージはなんらかの方法で記録し、書面での退職届に代わる証拠として保存しましょう。LINEのトーク画面をスクリーンショットで保存しても良いし、トーク履歴をテキストでダウンロードしておく方法も有効です。

特に、最後のデータの保存が一番重要ですよね。
LINEが重要なコミュニケーションツールとなっている現代ですが、逆にいうと証拠の王道ということもできます。
例えば、不貞慰謝料を請求されるケースでも、多くの人はすぐにLINEを消してしまうのですが、例えば10悪い証拠でも消してしまえば裁判で20悪い認定になる可能性はあります。
消していなければ20悪いという主張がきたときに証拠を出して「いや、それほど悪くはない。」という反論ができます。
裁判は証拠が強い方が勝つといっても過言ではないので、その保存の重要性も必然的に大事になってきます。

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